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    今宵は一筆申し上げ候

    世の中の出来事に、もの申したく候。

       

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    ヤマダ電機で感じる違和感、「ヤマダ電機の暴走」で納得

    管理人が働く職場の近所にヤマダ電機の「LABI」ができました。

    仕事柄、そして趣味の上でも家電量販店をよく使う管理人ですが、一番好きなのは「ヨドバシカメラ」です。というのも、店員さん達の勉強熱心さは他を圧倒していると思うからです。いままで店内で店員さんに相談して、その回答に不満だったことはほとんどありません。皆さん、いつも頭が下がるほどの情報量をお持ちです。

    これが、ビックカメラ、今は無きサクラヤなどになるとちょっと劣るかなぁという感じでした。

    で、昨今破竹の勢いで出店を続けるヤマダ電機の「LABI」。

    先日、仕事の関係である商品が必要となり、出かけました。繁華街にあるそのお店は品揃えがものすごいということで評判です。

    オーディオ関係のフロアに上がり、探すのですが、ありません。実はその製品、「プラグ変換アダプター」と言います。ステレオ標準プラグをステレオミニプラグに変換する小さなコネクターのようなものです。オーディオがお好きな方ならすぐにわかるでしょう。

    そこで、お店のお姉さんが通りかかったので、声をかけます。「すみません、ステレオ用のプラグ変換アダプターが欲しいのですが…」と尋ねると、困った顔です。こちらの言った意味がわからなかったようです。再び、説明すると、今度は「すみません、他の店員に聞いてみてください」とのこと。

    仕方なく別の店員さんに尋ねると、こちらも困った顔です。「少々お待ちください…」で、待てど暮らせど、その店員さん戻ってきません。そこで、おかしいと思い、彼女の戻ったカウンターの奥を覗くと、その店員さん、隠れるようにして立っているじゃないですか。視線があったとたん、逃げ出しちゃいました。

    なんなんだ、これは?

    そこで、別の店員さんを捕まえるとやっと、コネクター売り場に。で、もう一度説明をすると、「陳列していなければ、残念ながら、このお店にはありません」との答え。

    ということで徒労に終わりました。結局、近所の別の電器屋さんで手に入れました。


    別の日、今度はトラックボールタイプのマウスが必要となり、PC売り場に。ものすごい数のマウスが並んでいますが、肝心のトラックボールがありません。そこで店員さんに尋ねると「それってどういう製品ですか?」

    結局、これほど品揃えを誇る店にもかかわらず置いていないことがわかり、その足でヨドバシカメラに行き買いました。

    そう、違和感と書いたのは二つ。

    1 売り場で基本的な家電の知識がないスタッフに出会うことが多い。

    2 豊富な品数を誇ると言いながら、肝心な製品がない。

    この二つです。

    長いことその二つが「なぜ?」と疑問だったのですが、少し前に書店で買い求めた本で、どちらも氷解しました。「ヤマダ電機の暴走「年商3兆円構想」の果て」(立石泰則著 草思社刊)です。この本の中に見事にその答えがありました。

    1 ヤマダ電機は各メーカーにヘルパーとして従業員を派遣させている。しかもその数が非常に多い。労働局や公正取引委員会などから、様々な形で指導や処分が出、他の家電量販店などでは改めたところもあるが、ヤマダ電機では引き続き、ヘルパーに頼ったシステムとなっているそうです。(p129~ 第6章 ヘルパー問題) 

    なるほど。もともと、各メーカーから派遣されている人たちなので、店頭に立てば、自社の製品については、説明できても、他社の製品などについての知識は乏しいかもしれない。しかも、各メーカーから派遣とはいっても、それぞれに、派遣のために新たに安価に雇用しているのかもしれず、そうなるとますます、腰を据えて商品知識を勉強しようとはならないかもしれません。もちろん、中にはとても詳しいスタッフさんもいらっしゃいますが。

    確かにヨドバシなどもヘルパーさんはいるのでしょうが(こちらは監督官庁から指導を受けたため、数年で全廃するとしたそうです)、それぞれにメーカーの衣装をつけていて、店員さんと区別できます。が、ヤマダ電機の場合は、ちょっと区別しにくい感じでしたね。

    2 ヤマダ電機の仕入れはPOSによる売り上げの高い人気製品を上位から入れて販売するという手法。(p119) したがって、少数だけれど確実に需要が存在するという製品は置きにくいのだそうです。一見、品揃えが豊富なように見えますが、実は同じ売れ筋商品が複数の場所に重複して置いてあるだけ。したがって、品「数」は多いが「種類」は少ないということになるわけです。

    なるほど、上記、トラックボールが良い例。弱者切り捨てといえば大げさですが、必要でも数が出ないモノは置かないという方針ですね。

    と、こういうことだったのだそうです。

    事の是非や真偽について管理人は判断するものではありませんが、少なくとも、本書を読み、その説明には深く納得させられてしまいます。

    そうなると、管理人、ヤマダ電機は現在のところパスです。でも、せっかくあれほどの広さや出店数が多いのですから、それでいてヨドバシのように店員さんがきちんと勉強して、そして商品も幅広く取り扱ってくれれば最高なんですけどね。現在のヤマダ電機の利益を生み出す構造上、それはやっぱり無理ということでしょうか。この本で理解しました。残念。




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